■ MITSUNORI KURASIGE - Odd present-
絵画することについて
■ 倉重光則
空白の紙面に向って、私はよく考えます。絵画すること、何によって絵画にするか、何が絵画になりえるかと......。
まず、始めに正方形(正方形に近いもの)のワク(正方形という絵画の枠組み)から始める何回も繰り返し描く、枠の生産。無意味と思いつつもそれをやり続ける意志。正方形から異形の正方形へと無限に反復すること。
絵画における機能とは、ちょうど岸壁に打ち寄せては引いて行く波のように私に働きかけてくる。その波を私は作品に押し返す。この「立ち返り」こそが絵画における機能と呼べるものである。空白の時空を図り、その表面を横に横にすべること。そのことが意思を意思ことになり、差異の享楽を知ることになる。それが絵画することであろう。
■ 倉重光則の絵画「剥がれる」/砂田海児
■ 倉重光則の作品ーー正方形と蛍光灯/千葉成夫
■ 実験的なライト・アート/田中幸人
■ 無機質的構造/夏木 遊
■ 不確定性正方形/倉重光則
■ 万華鏡的連続/松村友視
■ 「意味」と「現実」の間で/秋田由利
■ インヴェスティゲイション 調査・研究の「緑」たち/藤井雅実
■ ビデオカメラとテレビ/倉重光則
■ 真っ青な風景/倉重光則
■ 不確定性正方形/倉重光則
カラー図版15点
モノクロ図版58点
120ページ
296x214x10mm.
1993年1月11日発行
企画/ギャラリー現